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Column

#6:「月9」特集

2016.4.17 / 特集コラム

フジテレビの看板ドラマ枠 月曜9時枠の連続ドラマ 通称「月9」

2005年 YUI feel my soul フジテレビ系月9ドラマ『不機嫌なジーン』主題歌
2006年 絢香 Real voice フジテレビ系月9ドラマ『サプリ』主題歌
2006年 ※絢香 ※ブルーデイズ ※フジテレビ系月9ドラマ『サプリ』挿入歌
2006年 Sowelu Dear friend フジテレビ系月9ドラマ『トップキャスター』主題歌
2013年 家入レオ 太陽の女神 フジテレビ系月9ドラマ『海の上の診療所』主題歌
2013年日本レコード大賞 優秀作品賞
2015年 家入レオ 君がくれた夏 フジテレビ系月9ドラマ『恋仲』主題歌
第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞・ドラマソング賞受賞
——— 西尾さんがこれまでにプロデュースを務めたドラマ主題歌11作品の内、いわゆる「月9」主題歌は5作品ありますが、西尾さんが初めて担当したドラマ主題歌(YUI『feel my soul』)が竹内結子さん主演『不機嫌なジーン』という「月9」ドラマでした。YUIのメジャーデビュー曲にもなるということで、プロデュースするにあたりかなりのプレッシャーもあったと思うのですが、その時の心境など教えてください。

西尾 「最初にお話を頂いたときは正直“できるかな?”と思いましたね。僕も初めてだったのでなかなか具体的な像が見えず、経験もゼロなので、手探りの緊張感というのがありました。制作に頂ける時間も少ないですからね。こういったドラマ主題歌の場合、提出期限まで余裕がない場合がほとんどです。通常のシングル曲の場合、プロモーションビデオやジャケット撮影、インタビューの準備やそれらの仕込みがある事を踏まえて、リリースの2か月前には曲は仕上っている事がほとんどです。しかし、リリースの2か月以上も前にドラマのしっかりした台本まではできていない場合が多いので、主題歌の制作に充てられる時間はお話を頂いてから多くても3週間くらいではないでしょうか。」
——— 思った以上に短期間で曲を仕上げないといけないんですね。
西尾 「かなりタイトなスケジュールになってきますね。しかもドラマサイドには最低2曲か3曲お渡ししてその中で一番いい曲を選んで頂くという事が多いです。ここが一番苦しいところですね。曲がドラマの中でどう聞こえてくるか、リスナーがどんな想いで聴くか、というのを想像しながら、指示されたテンポ感や曲調、キーワードを取り入れながら慎重に作っていきます。『feel my soul』を制作した当時を振り返ると、得体の知れないプレッシャーもありましたが反面、初めての経験という事もあり怖いもの知らず的な部分もあったと思います。」
——— 結果として『feel my soul』はYUIのデビューシングルにも関わらずオリコンTOP10入りを果たし、大ヒットとなりましたね。
西尾 「プロモーションビデオが出来上がってすぐにヴォイスの先輩であるビアンコネロのメンバーと鑑賞会をおこなったのですが、見終わってもシーンとしたまま、何とも言えない感動に包まれたというか“あの小っちゃかったYUIが立派なアーティストとしてテレビに映ってる!”と、皆感傷に浸ってしまいました。最後にリーダーの古賀たかしがポツリと“これ、凄い事になりそうですね”と言った事だけ鮮明に覚えています」
——— そして、YUIに続き絢香ですが、ドラマ『サプリ』主題歌の『Real voice』をプロデュースされていますが、挿入歌のバラード『ブルーデイズ』についても視聴者の方々から多くの反響があったそうですね。
西尾 「そうなんです。『恋仲』での『君がくれた夏』(家入レオ)もそうでしたが、『ブルーデイズ』も物語の一番切ない場面で使って頂いて、ドラマを側面からすごく盛り上げた形になったそうで。後にドラマのプロデューサーから『ブルーデイズ』はドラマのクレジットにも載せてないにも関わらず『何という歌?誰が歌っているの?』と視聴者から多くの問い合わせがあったという話を伺って素直に嬉しかったですね。ドラマを象徴する主題歌の『Real voice』はエンディングで使用されましたが、『ブルーデイズ』はタイプの違う曲という事で『Real voice』と同時に提出していたバラード曲になります。ありがたい事にどちらもプロデューサーに気に入って頂けたんですね。台本をなぞるであるとかドラマに寄り添うという事も大切ですが、ドラマの制作者側からみて単純に“これは使いたい!”と思って頂けるようなBGMである事も同じかそれ以上に重要だとこの時学びました。この事はその後のドラマの曲作りにも生きていると思います。」
——— 月9ドラマ主題歌の作曲で特に意識している事、苦労する事があれば教えてください。
西尾 「特に意識するということはないですが、視聴者の方はラブソングというのを意識されているかも知れませんね。ドラマの主題歌ということにおいては、他のドラマの時とほとんど変わりはありませんね。」
——— 「月9」主題歌はこれまで4人のアーティストと関わっていますが、それぞれのアーティストの特徴や個性なども活かしつつ作曲はされるのでしょうか?
西尾 「当然、月9ドラマだけではなく、そのドラマの内容によってそのアーティストの特性を活かし連動させるということは常に考えています。そこがしっくりこなかったら、視聴者の方々も観ていて気持ちが良くないですよね。テレビドラマを観ていて、“うわぁ!ここでこの曲きたか!”と思って頂き、自分も一緒に感動したいので、そうできるような曲でありたいなと思っています。」

(2016.4.17 インタビュー・文:大橋純)

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