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楽曲分析

Analysing

#5 家入レオ『純情』

2016.1.11 / 楽曲分析

『純情』

西尾芳彦プロデュース
2013年7月30日リリース
作詞:家入レオ
作曲:西尾芳彦/家入レオ
編曲:佐藤希久夫
・フジテレビ系『ドラゴンボール改』エンディングテーマ
・オリコンウィークリーランキング11位

まずAメロの頭ですが、VImからIに進むコード進行になっています。二つは機能としては同じトニック(T)ですが暗い響きから明るい響きに動く事によって面白い効果が得られます。絢香さんの『三日月』のAメロも同じコード進行です。

Aメロは4小節の同じコード進行を2回繰り返すので、後半は若干違うメロを持ってきています。(※歌詞:「精一杯叫んだって」の部分)

前回『Silly』『太陽の女神』で説明した「コード進行が変わる時はメロディは変えない」に対して、「コード進行が変わらない時はメロは変える」というのもヴォイス理論の一つです。

構成についてですが、この曲はA→間奏→A’→B→サビ~という構成になっています。
家入レオの楽曲の中ではサビまでにAメロを2回繰り返す構成の曲はかなり珍しいです。この曲は、比較的アップテンポである、イントロのギターリフもメロディの一部と捉えてほしかった、などの理由によりこの構成にしました。
どの曲にも言える事ですが、構成を考える時はサビに到達するまでに聞き疲れする事がないように心がけています。

サビは基本的にAメロと同じコード進行になっています。ヴォイス理論の一つに「Aメロとサビの頭の2コード(の機能)は極力揃えた方がいい」という理論があります。これは、間のBメロの頭のコードはA、サビとは違うものを持ってくるべき、とも言えますね。純情に関してもそのセオリー通り、A、サビはVIm(T)始まり、BメロはIV(SD)始まりのコード進行になっています。当然、A、B、サビの各ブロックのメロディはいずれも異なる性質のメロディにして差別化しています。

サビは大きく分けると前サビ、後サビの構成になっています。それぞれの後半部分は同じ性質のメロになっているので、その部分はコードを変えて差別化しています。
曲全体で言える事ですが、8ビートの躍動感をしっかり表現する為にも縦ノリをしっかり感じて、アクセント、音符の長さなども意識して歌う事も非常に大切です。(譜面にアクセントを記載)

今回で第5回目の楽曲分析ですが、これまでのおさらい的な内容になっています。
是非、前回までの分も見てみてくださいね。

※後日談

エンジニア&アシスタントの坂本です。
この曲もかなり初期の段階から「ライブを意識した」制作でした。
いつもながら、メロディ、アレンジ、歌い方などなど、かなり細かい所まで精査するものの、曲の勢い、初期衝動のようなものをどれだけ表現できるかに重きを置いての制作だった記憶があります。制作当時のヴォイス東京校スタッフブログも併せてご覧ください。 ( 『>>東京校スタッフブログ『家入レオ、純情ができるまで』

掲載の写真からも、ライブを意識している感が十二分にお分かりいただけると思います。曲ができた時の、あの何にも代えがたい興奮は、誰しも同じなんですよね。
そういった制作過程を経てついに完成した『純情』ですが、その甲斐あってか、ミュージックステーションでの家入レオさんの純情のパフォーマンスを見た西尾先生は「歌、パフォーマンス共に120点!本当に素晴らしい出来だった!」と言っていました。西尾先生が生徒や弟子を手放しで褒めるというのは本当にめずらしい事なので、それも記憶に強く残っていますね。

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